「Bayerische Milchindustrie eG」向けのケーザー社のブロワー - 画像は乳製品の充填を示す
Bayerische Milchindustrie eG(ツァプフェンドルフ)

クリームありでお願いします...

…それとケーザーのブロワーも!

ところで、クリームと圧縮空気はどういう関係があるのでしょうか?その関係は、ツァプフェンドルフにあるバイエルン酪農協同組合(BMI - Bayerische Milchindustrie eG)の次のサクセスストーリーを読めば分かります。このストーリーは浄水に関するものですが、乳製品工場における産業排水処理についても説明しています。

使い勝手に優れ、信頼性が高く、非常に重要なことですが、今後の変更にも対応できる機械技術を導入するための必須条件が浄水です。もう一つの重要な要素はコスト低減です。 ロータリースクリューブロワーを使った高度な装置がこれを実現しました。

Bayrische Milchindustrie(ツァプフェンドルフ)

BMI(バイエルン酪農協同組合)は、長い伝統と国際的な経験を持った酪農協同組合です。現在、BMI最大の工場は、バイエルン北部のツァプフェンドルフにあります。脱脂粉乳や乳清粉末といった標準的な製品は別にして、生産の重点を特殊製品に置くようになってきました。非常に高度な限外ろ過プロセスによって、高品質のタンパク質濃縮物が生産されています。タンパク質濃縮物は、栄養学、食事療法学、小児栄養産業、健康食品産業にとって、ますます重要な製品になっています。BMIでは、乳糖の製造のほか、高脂肪乳製品や乳清製品の製造、糖分を一部取り除いた乳清およびポリアミン濃縮物の乾燥なども行っています。 ツァプフェンドルフには最新の酪農工場もあり、バターやクリーム、カードチーズなどの発酵乳製品を製造しています。

ロータリースクリューブロワーによるエネルギー効率の向上

BMIの製品に対する需要が伸び、生産量が増えたため、大規模な処理系を新設する計画が2014年に始まりました。この処理系で、乳製品の生産に伴って発生する工程用水を処理します。新しい処理系には連続回分反応器を4台用意し、この工程用水を一括して処理して、栄養負荷を分解します。 また、4台のブロワーを使い、このプロセスに欠かせない微生物に空気を供給します。

この水処理施設の運転コストをできるだけ少なくするために、新しいロータリースクリューブロワー(当時この市場向けにリリースされたばかりの製品)を使ってエアレーション空気を作ります。この処理には電気が大量に消費されます。それまでは、ローブ式ロータリーブロワーを使って行うのが普通でした。 ロータリースクリューブロワーは基本的に、低圧セグメント向けに改良された、ドライ式でオイル未使用のロータリースクリューコンプレッサーです。400 mbar以上の各種圧力で、非常に高い効率を発揮します。ローターがスクリューの形をしているため(例:SIGMA PROFIL)、非常に高い効率で機械を運転できます。BMIのように600~800 mbarの各種圧力を必要とする用途や、水技術セクターのようにブロワーを長時間運転する必要がある用途において大幅に節電(結果的にコスト削減)できます。

BMI向けに作成された初期の計画では、それまで一般的だった第一世代のロータリースクリューブロワーを使用する予定でした。この場合、この機械以外にも必要になるものがあります。第一世代は基本的に、運転に先立って電気系統およびコントロールキャビネットを外注業者に設置してもらう必要のある機械部品で構成されていました。 一方、次世代のロータリースクリューブロワーは、電気式制御および電源があらかじめ取り付けられ、必要なものすべてが揃った、すぐに使える機械です。ブロワー市場のこのセクターではすでに見直しを始めており、計画立案者はこの新しいシステムに急速に注目するようになっていました。

その内情:Zapfendorfの'Bayerischen Milchindustrie EG'で生産されました
必要なものがすべて揃ったソリューション

この新しいスクリューブロワーには"必要なものがすべて揃っている”ため、最終的に、どの機械を採用するかの決心をぐらつかせました。BMI Zapfendorfは結局、インバーターと、SIGMA CONTROL 2コントローラーによるスマートな機械制御を備えた、FBS-M-SFCタイプのスクリューブロワーを選択することにしました。この高度なコントローラーでは、Profibusを使ってブロワーを、運転および状態のデータを表示するメインのコントロールセンターに直接接続します。コントロールセンターから、(流量に変換される)モーター回転数をブロワーに指示することで、バスシステム経由でブロワーをリモート制御できます。

コントローラーと、すべてが揃った設計により、Industrie 4.0環境やWater 4.0環境における用途にも最適な機械になっています。工業生産におけるこの大きな変化は第四次産業革命とも呼ばれており、水技術の分野にも押し寄せています。Industrie 4.0の基本的な前提条件として、機械同士が通信できなければなりません。ネットワーク接続された、デジタルマスタープロセス制御システムがその例です。機械の制御を大幅に柔軟にし、運転および状態のデータに基づいてリアルタイムに診断すること(「状態監視」)で、運転を最適化し、予知保全の機能を有効活用できるようにすることが目標です。これにより、ブロワーの運転およびメンテナンスの状態に関する包括的なデータを読み取りつつ、ブロワーをリモートで制御(データバスケーブル1本だけというのが理想)できるようになります。

 
ケーザーのシステムには非常に感動しました。
ケーザーが言うように非常に効率的かつ高性能で、パワーエレクトロニクス、統合FC、IE4モーター、センサー、Profibus経由でのコントロールセンターへの接続など、すべてが揃ったシステムです。
Bayerische Milchindustrie eG工場(ツァプフェンドルフ)、Björn Wittmann氏
すべてが揃ったシステムで信頼性の高い運転を実現

たとえば、アナログ値をリアルタイムで読み取れるので、次のような重要なデータを注意深く監視できます: 入口の吐出圧力および差圧。入口、吐出、オイル、防音カバーの内部温度。吸い込みフィルターにおける圧力低下。ブロワーの速度(インバーターの場合)、インバーターの消費電力、中間回路の電圧。 監視対象としては、モーターの温度と消費電力、オイルレベル、パワーエレクトロニクス向けの回路基板温度など、非常に多岐に上ります。

このような値にはそれぞれ上限値があり、それを超えると、警告や異常を知らせるメッセージが出力されます。バスプロトコルを使ってプロセス制御システムに実装することもできるため、監視が容易になるとともに、分かりやすくなります。 システムには、機械の運転時間や各部品(ブロワーエアエンド、モーター、コントローラー、電源、保守部品など)の値を示すカウンターも備わっています。また、吸い込みフィルター、オイル、Vベルトなどの保守部品の時間間隔が保存され、使用期限を過ぎると、メンテナンスするようにメッセージが出力されます。 また、[機械停止]、[開始準備完了]、[操作]、[警告]、[欠陥]などの状態値がプロセス図に表示されます。

すぐに使えて汎用性のあるこの機械を導入することが決まり、オペレーターたちは、その機能やコストを詳細に比べたうえで、明らかに士気が上がりました。すべてが揃ったこの機械を導入する代わりに、個々の部品を電気的に個別に自動化することで同等の機能を実現しようとすると、莫大な金額が必要になります。ブロワー、インバーター、金属製コントロールキャビネットといった部品ばかりでなく、その他多くの部品も調達する必要があることが明白です。機械と制御機能を詳細に比較する際、ファン、オイルポンプ、バキュームポンプなどの電気補助ドライブを接続するための切換継電器および過電流防止装置、変圧器、温度/圧力の分析装置、オイルレベルセンサー、オイル圧力センサーのコストについても検討しました。 センサーの受信信号を分析し、上限値を格納し、動作の論理的電気交換を実装する必要があります。 この決断により、多くのインターフェースについては未決事項がなくなり、試運転はスムーズかつ迅速に実施されました。特に、業界の安全規制関連(BetrSichV)で要求されているように、CE/EMC認証によりすべてを明確に文書化しました。このように調達を要するものの範囲が明確になっており、投資費用の計画や電気コストの比較計算は容易でした。すべてが揃っていてすぐに使用可能なこの機械には、検証済みの性能データが最初から用意されているためです。

設置されたシステムは計画どおりで、法的にも問題がなく、プロセスの信頼性も確保されます。 設置されたシステムは計画どおりで、法的にも問題がなく、プロセスの信頼性も確保されます。たとえリモート制御に障害が発生したとしても、プロセス制御システムを使わずに手動でブロワーを運転するのは驚くほど簡単です。SIGMA CONTROL 2のシンプルなメニュー操作を使って運転すればよく、配線のやり直しや再構成は必要ありません(これまでは外部インバーターへの接続等が必要でした)。 緊急時には、まだ稼働可能な機能群が機械によって構成されて、微生物の生存に必要な空気が引き続き供給されます。

ブロワーステーション:ZapfendorfのBMIでは、4つのFBSシリーズのロータリスクリューブロワーが使用されています
結論

高度なロータリースクリューブロワーを4機導入し、問題なく運転するようになって2年が経過しました。プロジェクトマネージャーは、ロータリースクリューブロワーの素晴らしい性能に満足するだけでなく、インバーター、コントローラー、コントロールセンターの接続など、関係するすべてのことに感動しています。望ましい要素としては、ロータリースクリューブロワーについて謳われている性能値が、ISO 1217付録Eで規定されている許容値内になっているという点もあります。これにより、設置当初に見込まれていた非常に高いエネルギー効率も実現されています。 さらに、この機械には「すべてが揃っている」ため、投資コストを大幅に節約することもできるとプロジェクトマネージャーは説明しています。

システムに装備される製品は以下のとおりです