リューネブルク排水処理場の浄化タンク。
リューネブルク廃水処理場

排水処理用ロータリスクリューブロワー

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排水処理用ロータリスクリューブロワー

排水処理のエネルギー効率はかつてなく重要性を増しています。この点に留意しつつ、リューネブルクの処理施設では天候条件が変化する中で安定した空気供給ができるソリューションと高度な制御システムが要求されました。その答となったケーザー・コンプレッサーのロータリスクリューブロワーは、エネルギーコストを確実に削減しながら、施設が求めていた成果を提供することができました。

ドイツニーダーザクセン州リューネブルクの排水処理場は、およそ325,000人の住民の排水を処理する施設です。最大7 mの深さの多くの浄化タンクには、生物処理に必要な空気がダイアフラム制御弁から送られます。

最近まで4台の旧式ターボブロワー(各200 kWモーター搭載)を使用して、給気システムの圧縮空気を供給していました。しかし、オペレーターが求めていたのは、発生する圧縮空気をよりダイレクト、ダイナミックに制御し、かつ制御範囲が広くとれるソリューションでした。そのほか、極端な天候条件に左右されずに安定して空気を供給できることも要求されました。
発生する空気流量とそれに伴う消費電力を計測して記録した結果、新しいロータリスクリューブロワーの導入による効果がすぐに確認できました。

ターボブロワーと完璧に調和するロータリスクリューブロワー

リューネブルクのロータリスクリューブロワーは最大1年の試用期間が設けられました。施設のマスターコントロールシステムの設定によりガイドベーンを調整してターボブロワーを制御することから、速度制御を行ってロータリスクリューブロワーを運転するためのソフトウェアを適応させる必要がありました。ブロワーは制御システムとの通信にProfibus DPを使用します。オプションでModbus TCP/RTU、Profinet IO、DeviceNet、EtherNet/IP、または旧来のケーブルを使用した通信も可能で、圧力制御のほか、リューネブルクのシステムのように速度制御を使用することができます。ロータリスクリューブロワーが所定の速度制限に達すると、制御システムが必要に応じてターボブロワーのオン/オフを切り替え、効率の悪い無駄な運転をなくします。

ランプアップ時間が調整可能なので、ロータリスクリューブロワーの始動と停止によりターボを損傷する原因となる圧力ピークを避けることができます。両システムのパフォーマンスは簡単に比較できます。ロータリスクリューブロワーが直接置き換わるターボの空気は4000~9000 m³/時で、ほぼ24時間の運転の12時間は単体での運転となります。

リューネブルク廃水処理場。
リューネブルク排水処理場の空気タンク。
エネルギー消費を最大15%削減

オペレーターにとって省エネ化よりも重要であるのがより正確で安定した空気供給の課題です。その目標達成に貢献したのが、よりダイナミックな制御であり、容積式コンプレッサーは変化する入口圧力と温度による流量変動がターボよりもはるかに少ないという事実です。

つまり、極端な天候条件でも、電子制御コントローラーによって必要な処理量を確実に維持することができます。さらに、圧力の変動が機械の制御に与える影響が大幅に縮小することがすぐに明らかになり、制御も大幅に簡素化されることも分かりました。プロセス管理の改善が顕著であることから、空気流量とパフォーマンスを継続的に測定することで大幅なエネルギー削減が可能になりました。

ロータリスクリューブロワーをターボブロワーと併用することによる効果は、全体の消費電力の面でも明らかです。毎年で節約可能な250,000 kWhの電力は、年間の要件に応じて全体の10~15パーセントに相当します。この結果は、ISO 1217 Annexe Eの厳密な許容値に従いあらかじめ計算されたロータリスクリューブロワーの使用可能流量と総消費電力の数値によるエネルギー節約量と完全に一致しています

リューネブルク排水処理場のロータリスクリューブロワー。
ケーザー・コンプレッサーのロータリスクリューブロワーは、最大流量が160 m³/分、最大圧力差は1100 mbarにおよびます。
独自の効率性

ロータリスクリューブロワーとターボブロワー、あるいはその組み合わせは、空気需要の度数分布(最小と最大需要の範囲で流量が分布する期間)に応じてあらゆる用途に最適なソリューションとなります。同じく重要なのが実際の使用圧力です。特にターボブロワーの場合に、制御範囲と空気需要の範囲に大きな影響を与えます。 

個々のモデルや技術を最善と考える先入観を持って適切なソリューションを見つけようとするよりも、偏見を持たずにすべての要因を評価してから判断する方が好ましい結果を生みます。空気需要のプロファイルと実際に要求される使用圧力を決める上で優先度を設けなければなりません。将来の機械ネットワーク全般の運用も考慮する必要があります。ケーザー・コンプレッサーは容積式コンプレッサーとダイナミックコンプレッサーともに優れた製品を提供し、常にそれぞれのお客様のニーズに最適なソリューションを提供しています。 

新しいテクノロジーを積極的に導入したリューネブルク 排水処理場は大きな成功を収めています。圧縮空気のニーズを効率よくインテリジェントに制御する成果を手にすることができました。

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