ケーザー社のPCベースのコンプレッサーコントローラーであるシグマ・コントロール2は、エネルギー効率と信頼性、そして標準化されたメンテナンスを実現します。モジュール型設計により、優れた汎用性と強化した通信機能もお届けします。
コーブルク市に拠点を置く圧縮空気システムプロバイダーである当社が画期的な「シグマ・コントロール」を発表してからすでに10年以上になります。シグマ・コントロールは内蔵型のコンプレッサーコントローラーで、革新的な「コンプレッサー内のPC」です。すべてのコンプレッサーに工業用PCを標準搭載することで、費用効果の高い制御を可能にしただけでなく、個々の装置とマスターコントロールシステム間のネットワーク機能も構築しました。この革新的技術は、エネルギー性能の継続的な進歩と、複雑な圧縮空気システムの信頼性向上を可能にし、圧縮空気生産に対する統合システムという今日の取り組みの礎となりました。
通信と効率の強化
ケーザー社の「シグマ・コントロール」コンプレッサーコントローラーの核となる強みは、エネルギー効率を最適化する機能と、コンプレッサーとの内部通信及びマスターコントロールシステムとの外部通信の両方をシームレスに行う機能です。当然のことながら、ケーザー社の開発エンジニアは、これらの卓越した機能を新世代のシグマ・コントロール2(略称SC2)にも適用しています。また、シグマ・コントロール2を前の世代よりも多用途にしようという狙いから、SC2に革新的なモジュール型設計を採用し、メインコントロールユニットと個々のインプット/アウトプットモジュールとの「役割分担」を実現しました。その結果、この独自のコンセプトによってSC2はメンテナンスと通信がより簡単になっています。
シグマ・コントロール2には独自のウェブサーバーが装備されていて、イントラネット/インターネットを通じてコンプレッサーと直接通信できます。これにより、例えばケーザー社のテレホンサービス施設の範囲内であれば、インターネットブラウザを備えているPC上で、パスワードで保護されているコンプレッサー設定と運転データを読み込んで調整できます。高価なソフトウェアを導入する必要はありません。このことから、コンプレッサーの運転とメンテナンス、及びコストパフォーマンスとエネルギー効率の定期的な監視もさらに簡単になっています。
シグマ・コントロール2は、インプット/アウトプットモジュールを介してコンプレッサーと内部通信を行います。これらのモジュールは、さまざまなインプット、アウトプット、無電圧接続端子にカスタマイズされ、広範囲に及ぶコンプレッサーの特定のニーズを満たします。この将来性を考慮したコンセプトにより、優れた柔軟性を発揮します。
操作簡単で信頼性の高い運転
SC2の高速かつ高効率通信の恩恵を受けるのはコンプレッサーだけではありません。ユーザーにも利点があります。大型操作パネルの大部分を占めるLEDバックライト付き、256×128ピクセル、グレースケールLCD画面にはテキスト形式のメッセージが30文字×8行まで表示され、読みやすくなっています。9つのLEDインジケーターがさらに多くの運転パラメーターと運転状態を通知します。また、わかりやすいアイコンで示されている13のメンブレンキーにより、さまざまなコマンドを間違えることなく入力できます。
操作パネルは、シグマ・コントロール2の中核である「メインコントロールシステム」と直接通信を行います。能動的通信と受動的通信用に、以下の4つのインターフェースが用意されています。
- コンプレッサー用(最大6つのI/Oモジュールに対応するIO-BUS)。
- シグマ周波数制御(SFC)回転数コントローラー用。この機能により、コンプレッサー駆動モーターだけでなく、ファンの電気モーターにも周波数と回転数の無段階制御を適用できます。
- インターネット/コンピューターネットワーク用(イーサネットインターフェース、10/100 MB/秒、RJ45)。
- ユーザーのさまざまなコントロールシステム用。プロフィバス、Modbus、プロフィネット、Devicenet用のプラグイン通信モジュールを用意しています。
カードとチップ
運転状態と運転パラメーターをすべて途切れることなく記録することは、コンプレッサーの性能を常に最適にするために不可欠です。この重要なタスクは、SC2に標準装備されているメモリー機能により容易になっています。SC2からのデータは、追加されたSDカードスロットからコンピューターへと素早く簡単にアップロードできます。このスロットにより、付属のSDカードを使ってソフトウェアの更新をSC2に転送しインストールすることもできます。これにより、更新を素早く行うことができ、全ての運転設定は保持されます。
シグマ・コントロール2は、内蔵RFID(Radio Frequency Identification)機能により高度なセキュリティを提供します。この技術により、ユーザーやケーザー社のサービスマンが安全にログインできるだけでなく、不正な変更や操作からシステムを守ることができます。このセキュリティ機能は、メンテナンスをさらに標準化することで、メンテナンス作業の高い品質水準を確保し、継続的に品質を保証するために追加されました。
ケーザー社のロータリースクリューコンプレッサーにはすでに新しいシグマ・コントロール2コントローラーが搭載されています。将来的には、SC2を全製品範囲に標準搭載する予定です。
2011年3月23日 , 公表自由、転写歓迎